キク薬舗の歴史
これまでのキク薬舗
キク薬舗の誕生
昭和2年1月8日 創業者、門田清は鹿児島市中町の御着屋通りに小さな可愛い薬屋を開きました。
(のちに現在の呉服町に移転)
薬が効く様にと「キク薬舗」と名付けたその店は6坪ほどのマッチ箱の様な店でした。
当時の鹿児島には薬剤師10名余り、薬種商が40名余り、鹿児島市にて6社ほど薬関係の会社が商売をしていました。
当時の日記より
昭和2年頃鹿児島市の人口は5万人ほどだったと思う。
開店後、私が一人で細々と営業していた頃、一日の売上は1円何十銭、2円、3円位のものでした。今日は野菜代しか売れなかったなあと言うたことがある。
新しい薬が新聞広告に出るとポスターを書いて店頭に貼り出しする。通行人が買うてくれた。有り難かった。
新聞記事より
昭和時代のキク薬舗、創業者の背景などがわかる新聞記事をご紹介します。
良い品を安く
言い古されたことばだが、商売の道はこれに尽きると信じている。もっとも、利潤追求という立場から「悪い商品を最高の価格で売るのが最高の商売」という、いわば逆説的な言い方をする人もある。確かにそんな商売が通用した時代もあったろう。だが、いまの世の中には通用しないことだ。その時は良くても結局は信用と消費者を失う結果となる。
良い品を安く-とは、口で言うほどかんたんなことではない。特に衣料品の場合はむずかしい。薬品、食料品類は商標もはっきりしており、良し悪しがはっきり区別できる。ところが衣料類はそうはいかぬ。仕入れのむずかしさが一番表れる部門だ。
現代は大量販売の時代である。大量に売るためには大型化する必要がある。少しでも多く売りたいし、そのためには値段を少しでも安くしたい。といって、いくら安くてもガラクタではだめ。仕入れの苦労は、いかにいい品物を安く買うかにある。仕入れ係には現金を持たせ、しょっちゅう京阪神を往復させているが、それもこれも安くて良い品をそろえるためなのだ。
キク薬舗社長 門田 清(昭和42年12月8日の新聞より)
ギャラリー
キクのテレビコマーシャル出演のためキク薬舗に来店したジャイアント馬場さんとアントニオ猪木さん